2013年8月分の記事です

患者さんからよく質問される内容

3年前に買った風邪薬をのんでいいですか?

薬の有効期限は、薬により、また保存方法により変わってしまいます。まずは湿気のない、涼しいところに保管しましょう。
<使用期限の目安>
1.開封していない場合
外箱に記載がありますので、その期限を守ってください。目薬、軟膏などは容器・チューブにも記載してあります。
2.開封した場合
散剤、顆粒:6か月
カプセル、錠剤:6か月~1年
目薬:1か月
1か月過ぎたら処分してください。雑菌が混入している場合感染のトラブルになります。軟膏:チューブのものは3~6か月、軟膏ツボのものは2か月

頓服薬ってなんですか?

症状がでた時に飲む薬です。
例)熱が出た時にのむ。痛みが出た時にのむ。

子供の解熱坐薬は何度で使用したらいいですか?1回使用し、もう1度使用するのにどのくらい間隔を開けたらいいですか。1日何回使用できますか?

38.5度が目安ですが、お子さんの状態で判断してください。38度でもつらそうな時、元気ないときは使用してください。逆に38.5度あっても元気な時は様子を見てください。間隔は、6時間開けましょう。1日2回が目安です。
医師の指示がある場合は医師の指示に従ってください。
頓服薬の間隔、1日の使用回数の限度は薬によって違います。薬をもらう時に確認しましょう。

平泉君江(わかば薬局)

薬の飲み合わせ

「テレビで血液サラサラにする薬を飲んでいる方は納豆を食べてはいけないと聞いた。私も血液サラサラにする薬を飲んでいるけど、大丈夫かしら?」「大豆がダメってことなの?」といった質問を頂くことがあります。

血液をサラサラにする薬には多くの種類があります。その中で納豆との相性が悪い薬はワーファリン錠(一般名称:ワルファリンカリウム)という薬です。大豆が原因ではなく、納豆のネバネバを作る納豆菌に含まれるビタミンKという成分が原因です。ビタミンKには血液を固めるという働きがあります。ワーファリン錠はこのビタミンKの作用を妨げることで、血液をサラサラにする効果があります。そのため納豆を食べてビタミンKを摂取すると、ワーファリン錠の効果を邪魔してしまいます。

その他、ビタミンKを多く含む食べ物にはパセリ、しそ、モロヘイヤ、春菊などがありますが、これらの食品は納豆のように毎日習慣的に食べる方が少ないため、一度に多量に摂取しなければ問題はありません。納豆がどうしても食べたいという方は、疾患にもよりますが他のお薬を選択することも可能です。担当医師に相談してみてはいかがでしょう。

一部の血圧の薬やコレステロールの薬でグレープフルーツと相性がよくないと聞いたことがある方も多いはずです。グレープフルーツに含まれる苦味成分が、肝臓での薬の代謝を邪魔することで、薬の効果を強めたり、副作用が出やすくなることが知られています。

「効果が強くなるなら、血圧やコレステロールが下がって良いね。」と言われることもありますが、血圧が下がり過ぎるとめまいやフラつきといった副作用が出たり、血圧の変動が生じ不安定になりやすくなります。ブンタン、ダイダイ、スウィーティー、夏みかん、伊予柑でも同様の報告があります。また果肉を食べるよりも搾ったジュースの方がより、影響が強まることが報告されております。

お薬を安全で効果的に使うために、食べ物や飲み物などで気になることがあれば、かかりつけの薬剤師にご相談下さい。

岩本雄弥(すみれ調剤薬局)

介護予防と薬

「年をとっても健康に過ごしたい」と誰もが望んでいます。介護のお世話にならなくてすむように、高齢者にとっての薬の注意点を紹介します。

年齢とともに、薬を排泄する力が衰えます。このため、薬の作用は長引き、副作用が起こる危険性は若年者の倍以上に高まります。また、体の中の水分量が少なくなっていることから、発熱など体調の変化によって副作用が急にあらわれます。今までずっと飲んでいて大丈夫だった薬でも安心はできません。

人によっては風邪薬を飲んだだけでも、おしっこが出にくくなったり、ふらつき、錯乱など重い副作用が出ることがあります。高齢者は1回に飲む量を減らして調整することが必要です。介護を必要とするようになる原因として、動脈硬化による脳の血管障害と骨粗鬆(こつそしょう)症による骨折の2つが大きな割合をしめます。予防には、若いときからの健康管理が大切です。脳梗塞(のうこうそく)・脳出血・認知症の原因となる血管障害は、①高血圧、②糖尿病、③高脂血症によって引きおこされます。壮年期にきちんと治療しておくことが大切です。

骨がもろくなり、転んだだけでも骨折するようになると、寝たきりにつながります。骨を強くするには、10~20代にしっかりカルシウムをとって骨を強くしておくことが大切です。高齢になってあわててカルシウムの摂取を増やしても間に合いません。転んで骨折するきっかけとして、睡眠薬によるふらつきに注意してください。不眠を訴える方が多いのですが、服用を早くしすぎないこと、室内の段差を改善するなど対策をとることが必要です。

気になることがありましたら、薬剤師にお気軽に相談ください。

広報ながれやま No.1121 2006年9月1日より

藤竿伊知郎(流山市薬剤師会)

薬局は禁煙の気軽な相談窓口

禁煙しようとする方を、薬局でもサポートしています。禁煙外来へ行くのは敷居が高い、仕事が忙しくて受診できないなど、治療を始めるには勇気が必要です。薬局は、気軽によれる相談窓口です。

薬局では、禁煙パッチやガムなど、禁煙した時に不快なニコチン切れ症状を抑える医薬品を販売しています。医師の処方箋なしで購入できる商品もあります。

禁煙に要する期間は2~3カ月で、薬代は2万5千円くらいです。この費用には薬剤師による相談・支援料金も入っています。効果と副作用をチェックしながら治療方法のアドバイスを行います。健康保険が使える禁煙外来と比べ、費用負担はあまり変わりません。

禁煙が難航したり、循環器疾患・精神疾患をもっている方など、医療上の必要性がある場合は、禁煙外来を紹介します。

禁煙を成功させる秘訣は、本人の決意だけでなく、まわりからの励ましが重要です。私たち薬剤師は禁煙が成功するよう応援に努めます。過去に禁煙をしようとして挫折した方でも、お気軽にお越しください。

広報ながれやま No.1264 2011年11月21日より

藤竿伊知郎(流山市薬剤師会理事)

薬の上手な使い方

お薬には薬局で処方箋により調剤されるお薬と、薬局・ドラッグストア・コンビニ等で購入できるお薬があります。

前者は薬剤師が、調剤された薬に関することについて説明をします。
後者は薬剤師や登録販売員が説明をしますが、パッケージに入っている薬の説明書を必ず読んでから指示通りに使いましょう。説明書にはお薬を使うためのすべてが書かれています。内容は、してはいけないこと・効能効果・服用時間・薬の成分・保管・取り扱い方等です。

用法用量・服用時間を守る理由ですが、ほとんどのお薬は体にとって病気を治す好ましい作用と副作用という好ましくない作用を持っています。自分だけの判断で早く治そうと多く飲むと副作用も現れやすくなります。反対に副作用を気にしすぎてお薬を飲まないでいると病気が悪くなってしまうことがあります。又、お薬の飲む時間によっては体の中に吸収されるお薬の量が違ってきたり副作用が現れやすくなります。

お薬の効果を充分に出し、副作用を防ぐためにもお薬は指示通りに使いましょう。

赤井畑みどり(すみれ調剤薬局)

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