アルコールとの上手な付き合い方
アルコールの基礎知識
楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」の段階までです。
お酒の量と酔いの状態
血中濃度 | 酔いの状態 |
酩酊初期 (0.11~0.15%) |
・気が大きくなる ・立てばふらつく |
酩酊期 (0.16~0.30%) |
・千鳥足になる ・吐き気、おう吐がおこる |
泥酔期 (0.31~0.40%) |
・まともに立てない ・意識がはっきりしない |
昏睡期 (0.41~0.50%) |
・ゆり動かしても起きない ・呼吸はゆっくりと深い |
※適量には個人差があり、お酒に弱い人や女性であればこの基準よりも少ない量を適量と考えるべきです。
同じ人であってもその日の状態によって酔い具合が異なるので、自分の体調と相談してほどよく楽しめる程度に抑えましょう。
アルコールと薬
お酒(アルコール)と医薬品の相互作用(飲み合わせ)について、注意が必要なものを見てみましょう。アルコールと薬を同時に飲むことによってそれぞれの作用が増強されたり、体に悪影響な物質がつくられたりします。
まず、特に注意が必要な薬は以下の通りです。
飲酒してはいけない薬
これらの薬はアルコールの代謝を遅らせ、頭痛・動悸・悪心・嘔吐・ショックなどを起こしやすいです。
嫌酒薬 | シアナマイド |
抗生剤 | セフェム系でMMT基をもつもの…セフメタゾール、セフォぺラゾン、シオマリン |
ピロリ除菌・原虫症・細菌感染症 | フラジール(特に投与中及び投与中止後1週間は禁酒) |
大量の飲酒をしてはいけない薬
メトグルコ | メトグルコという糖尿病薬は、飲酒により乳酸アシドーシスを起こしやすくなります。 |
アセトアミノフェン | 大量の飲酒により肝臓に毒性のある物質がつくられ、肝機能障害をおこします。 アルコールを常飲している方は特に肝機能障害がおこりやすいです。 |
※過度なアルコールは禁忌!ビールの場合500mlが1本、日本酒の場合1合が限度です。
☆乳酸アシドーシスとは?
乳酸アシドーシスの症状としては、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛といった初期症状が急激に始まって、進行すると過呼吸、脱水、低血圧、低体温、昏睡などの症状を引き起こすこともあります。
参考文献
- 公益社団法人アルコール健康医学協会HP http://www.arukenkyo.or.jp/
- 医薬品の情報サイト おくすり110番 http://www.jah.ne.jp/~kako/
- KIRIN キリンビールHP http://www.kirin.co.jp/about/
- 薬の総合辞書「薬辞苑」
- 薬の相互作用としくみ 杉山正康 編著 日経BP社 2012年10月
- 日本大学 古沢紗綾香 昭和薬科大学 蒲田侑加子
平泉 君江(わかば薬局)
わかばだよりNo.72 (2013年11月)から抜粋
更新日:2013-12-02|カテゴリー:コラム1